神崎恵「自分が自分でいることができるひととの距離」

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美容家・神崎恵さんによる連載「もう、メイクを落としてもいいですか?」。第23回目は「距離」という題でお届けします。vol.23「距離」今年はやけに考え、悩み、思う1年だった。こう口にすると「コロナ禍」だったから? と聞かれることも多かったが、それだけではなく、年齢なのか? タイミングなのか? 自分の今までや今、そしてこれからについて深く考えている1年だ。思い返してみれば、2年ほど前から、そんなもやもやが少しずつ始まったように思う。ふと、自分のやってきたことは正しかったのか? 今の自分には意味があるのか? これから先の自分には希望があるのか? と考える。その考えが、浮かんでは悩み、薄れたと思うとまた浮かんでくる。なぜ、そんな思いに支配されているのか? 自分の現状や頭や心の中をざっと広げ、並べてみた。ad原因のひとつは「余裕」、かもしれない。わたしはいつも数年単位で達成できる目標を掲げ走ることにしている。その目標に向かってとにかく走るのだが、数年前に決めた目標にここ1、2年でひとまず到達できた。それが良くも悪くも「考える余裕」をつくってしまったのかもしれない。脇目もふらず、息継ぎもせずゴールし、ふとまわりを見渡す暇ができてしまったからだろう。そんなときには、今まで見えなかった周りのいろいろなことが鮮明に見えてしまうものだ。隣の芝の青さとは軽く受け流せないほど、不安や焦りや妬みというどろんとした感情が湧いてくることもある。自分のことがとたんにくだらなく思えてしまうものだ。人間だもの、そんな感情もあたりまえ。そう思ってはいても、やはりそんな思いは少ないにこしたことはない。これからも、これを繰り返していくと思うと、なにか少しでも手を打てることはないかと考える。このもやっとした気持ちを増殖させるものもある。「距離」だ。いまはとにかくひととひととの距離が近い。密とかソーシャルディスタンスとかそういった実質的なものではなく、ここで考えたいのは意識の距離。ad1携帯を開けば他人が突如隣人やクラスメイトくらいの距離で存在感をましてくる。世界の違うひと、の目に見えるあれこれまでもが、自分との距離をつめてくる。いままで見えなかったものがすけすけに見え、目にも止まらなかったことやものが、気になったり、自分と比べる材料は増すばかり。会ったこともないひとに、とやかく言われるのも当たり前だなんて、おそろしい。いつどこにいてもひととつながることができる便利さが、ときに心や頭のバグを生む。そんな苦味を実感している。心健やかに。やるべきことに集中するために。まずはできるだけフラットな感情を保つことができる「距離」を確保することにした。adまずはだらだらと携帯を開かないこと。これがやっぱり大きい。携帯やPCを意味なくいじる癖は思っているより染み込んでいるもので、単純にこれを意識するだけで必要のない情報を断つことができてすっきり。必要以上にひとに会わない、というのも、同じすっきり感だ。寝るのも惜しいくらいに何かにのめりこむのもいい。仕事や勉強でそうなるのもいいけれど、できればもっと気楽なもの。連続ドラマやコミックとか、それもある程度の長さがあって、みるだけで現実と離れることができるもの。頭を強制終了できるものは、心の健康にとてもいい。運動するのも、思っていた以上に気持ちが晴れやかになる面白さがある。このどれもが、自分だけの世界に入り込む作業。世界は広く、とばかり思ってきたけれど、自分だけの小さな世界も必要なんだな、と、隠れる心地よさを体感中だ。いまはその小さな世界を豊かにすることにはまっていて、仕事部屋に座りつづけたい椅子や見続けていたいリトグラフ、包まれるようにあたたかい色をしたフロアランプを新しく迎え入れた。自分が自分でいることができるひととの距離。しっかりとっていきたいと思う。美容家 神崎恵/かんざきめぐみ日本のみならず、海外からも注目を集める売れっ子美容家。美容だけでなく、ファッションやライフスタイルも人気で、インスタ等で紹介したアイテムが品切れなるなどの現象も! 『この世でいちばん美しいのはだれ?』など著書多数。次回の連載もお楽しみに!神崎恵『もう、メイク落としていいですか?』バックナンバーはコチラ-クレジット-文/神崎恵 illustration/Masami Ushikubo●再構成with online編集部ad1元のページを表示 ≫関連する記事神崎恵「人生の『制限時間』はいつなのか?」【もう、メイクを落としてもいいですか? vol.22】神崎恵「『女っぽい』とか『女らしい』とかはもう古い」【もう、メイクを落としてもいいですか? vol.21】神崎恵「クソバイス」に潰されないで!【もう、メイクを落としてもいいですか? vol.19】神崎恵「あの手この手

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